女ひとり、南京虐殺記念館に行ってみたレポート

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南京に行くからには大虐殺記念館に行ってみよう

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上海に住んでいたとき、ふらっと一人旅で、中国の揚州、鎮江、南京を回りました。
なぜなら、これらはすべて上海から高鉄(=中国の新幹線)で2時間くらいと近かったのです。

そのとき、南京に行くからには、南京虐殺記念館(中国語の正式名称は南京大屠殺遇難同胞記念館)に立ち寄ってみようと思い立ちました。

日本人の私が、しかも一人で行くことに少し不安はあったのですが、

C-TRIPという中国の大手旅行アプリでも、南京虐殺記念館は「みんなが訪れる南京の人気スポット」第二位だったし(当時)、入場無料だし、ならばと行ってみることにしました。

それに、正直、好奇心があったのです。

中国にいると、中国人の口から「南京」と聞くと、日本人としてギクリとします。
私が申し訳ない気持ちになるのは違う、と私は思っているのですが、居心地はどうしても悪くなります。
というのも、南京大虐殺について、日本では、教科書に数行記述が出てきただけのように記憶していますが、
中国では、中学校から(または小学校から)教材のかなりのページ数を割いて学んでいるそうです。

中国人たちがどのようにこの出来事を展示し、受け取る側はどのように捉えるのかが知りたいという興味が純粋にありました。
この出来事を正しくとらえるためには、
日本の、日本人という立場だけでなく、
中国の、中国人の立場から見ることが不可欠だと思ったのです。

ということで、一人、南京大虐殺記念館へ向かいました。

 

記念館レポート

前にも述べたように入館は無料。
中国では入館無料の美術館、博物館もあるものの、大多数は有料の観光施設です。
なんだか、これは少しやらしいなぁ、と思ってしまいました。

中では、写真は撮れませんでした。
中国人では、撮っている人もいたのですが、私は気分的に撮る気になれませんでした。撮っているのが日本人だとばれたら怖いことになるんじゃないかというビビリもありました。
なので、建物の外、屋外の写真だけ撮りました。

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大虐殺で亡くなったひとの数にはいろいろと異論があるそうですが…

上の写真のように、館内には犠牲者30万人、とあちこちに書かれていました。

下の写真は、子供を殺された母親の像です。

この外の銅像を見ている時点で、私は銅像の解説を読んだ隣の中国人が「日本人はひどいことをする」としゃべっているのを聞いて、早くも緊張し始めました。また、駅を出たところで、中国の国旗が売られていて、ちらほら中国旗を持っている人もいました。

中に入ると、最近(2014年)改修がされたこともあり、様々な方法で、虐殺の経緯、悲惨さ、日本人の非道さなどを伝える展示が続いており、その間ずっと日本人として責められているような感覚を覚え、居心地の悪さを感じていました。

中国人の仲の良い友達から、日本人だとばれても、何かされるようなことはあり得ないと聞いていました。

しかし、私は展示の解説(上から中国語、英語、日本語で書いてある)を読むとき、日本語のところを読んでいるのがばれないように、顔をできるだけ上げて中国語のところを見ているふりをしながら目線は下にして日本語を読む、などの小細工をしていました…。誰もそんなの見ていないとは思いつつ。顔だけ見れば私は完全に中国人に間違えられます。

中では、英語や韓国語が聞こえることがあっても、日本語なんて聞こえなかったので、ほかに日本人の人が来ていたとしても、私と同じように息を殺していたのではないかと推察します。

しかし、そのような思いをしながらも同時に、かなり不謹慎な言い方だは思うのですが、展示方法が最新かつ多岐に渡っており、記念館としての完成度の高さに素直に感心してしまいました。

事件の経緯は、執念を感じるほどに集められたふんだんな資料を使って分かりやすく説明されており、被害状況はおびただしい数の写真を使って、視覚的にストレートに理解できます。

 

展示の仕方がすごい!

特に印象に残ったものが3つあります。

一つ目は4秒に一度水が滴る音が響き渡る大きな部屋です。部屋の前方には、スライドで被害者の顔写真が映し出され、4秒に一度切り替わります。

つまりこれは、計算上南京大虐殺では4秒に一人殺されたということを伝えているようでした。

二つ目は、万人坑と呼ばれる、(おそらく)本物の白骨が現場から発掘されままで置かれているものです。白骨がいくつも折り重なっており、本当にここで殺されたのだ、というのを強烈に実感し、気分が少し悪くなりました。

三つ目は虐殺直後の民家の様子を、人形を使ってリアルに再現したコーナーでした。むごい殺され方をしたリアルな人形がいくつか薄暗い部屋の中に横たわっており、その部屋をのぞき込めるようになっています。

これは、本当に恐怖を感じました。

ここまでいろいろと工夫を凝らして展示することに、少しやり過ぎじゃないかと思う気持ちもありますが…

この記念館としては、大虐殺を風化させないという目的を果たすため、あらゆる展示品をあらゆる展示方法で全力で展示しているのでしょう。

 

月並みですが…所感

さて、個人的な感想としては、純粋な記念館としての完成度の高さに感動はしたのですが、日本人として今、私が申し訳ない気持ちを持つのは違う、とやはり思ってしまいます。

本当に恐ろしいことが起きたとは思うのですが…

帰国してから、南京大虐殺のことをもっと知りたくて、本も読んでみました。

『「南京事件」を調査せよ』(清水潔著、文藝春秋刊)というもの。本を読んでの感想は、詳しくはこちらに書きました。

しかし、やはり、犠牲者の数、民間人の虐殺については不明なことが、未だ多くあります。

理想は、できるだけ偏らずに(完璧には無理ですが)、事実のみからこの事件を捉えたいと思っているのですが、戦後70年以上過ぎてしまい、どんどんとそれは難しくなっているのかもしれません。

 

 

 

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3件のコメント

  • よく最後まで見て回れましたね。私は
    途中で気分が悪くなり、抜け出してきました。

    • ayako.420

      そうですね、私も途中しんどかったです(;´・ω・)

  • 浅井正

    数の問題ではないと言いますが……。南京虐殺30万人は捏造では?
    当時の南京での白人宣教師の方が日本軍に南京の秩序を保ったとして感謝の意を表した日本軍将校宛の書面が残っているはずです、彼は日本軍侵攻前から侵攻後も南京に居住して事実を把握しています。彼は南京陥落後中国兵の日本兵による殺害を目撃、または知り得た情報として5人程度と語っています。そのうち彼が実際目撃したのは中国人の一人が身分の確認の最中その場から静止を振り切り逃走した為殺害されたと証言しています。30万人という膨大な犠牲者がどこに葬られているのかも話にでてきませんし、その場所もわかりません。それは何故?30万人もの犠牲者がいないからです。
    残虐性を語る時、必ず写真が掲載されますが、当時の日本兵の服装とちょっと違うといったことや、軍刀の使い方も違ってたり?信憑性に疑問があります、南京の記念館がそうだとは言いませんけれど。残虐性なら通州事件も語られるべきです。とてもおぞましい一般日本人殺害の事件。
    いずれにせよ 戦争は残虐です。なのに現在、中国の軍備増強は異常としか思えません。それをみるかぎり南京記念館も政治利用そのものなのではないのでしょうか?年々増えて来た犠牲者の数が物語っているようにおもうのですけれど。

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