【本の感想】現代中国経営者列伝(高口康太著、星海社新書)【後半編】

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昨日書いた【新書『現代中国経営者列伝』の感想】の続きを書きます。

本の内容などはこちらの【前半編】を参照してくださいね。

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引き続き、本を読んで考えたことを挙げていきたいと思います!

 

中国経済から日本が学ぶことはあるか

本書には孫正義の造語「タイムマシン経営」(海外でヒットしたビジネスモデルをいち早く自国に持ち込んで勝負する手法)が中国で大流行したと書かれています。(P180)

また、飲食品メーカー・ワハハの創業者、宗は、「健康食品市場において子ども向け製品がすっぽり空いていることに気が」つき、子供向け栄養ドリンクを売り出し大ヒットさせたそうです。(P83)

このように、他の資本主義先進国から遅れて経済発展した中国では、

海外から学び、まだ空いている席(健康食品 × 子供、のように)を見つけることが成功の近道となったようです。

 

では、それと同じように日本が中国経済から学ぶことはあるのでしょうか。

確かに資本主義経済のキャリアは日本のほうが長く、既に日本国内では様々なアイディアが出尽くし、検討し尽くされている感じはします。

 

しかし、中国の経済発展の方向と新商品の発想は、日本のものとは全く異なっているため、

今後中国から日本が学ぶ余地は十分あるんじゃないかと思います。

背景が全く違うからこそ中国で生まれたアイディアがあり、それが日本でも大流行!なんてことがこれから起きるかもしれません。

特に、今中国ではシェアリング・エコノミーが隆盛を極めており、この業界は日本よりも先に行っています。このあたりの動きは本当に現在進行形で目が離せません。

 

 

「農村が都市を包囲する」

この本のなかにたびたび出てくる中国が外国企業に勝利した理由、それは「中国の津々浦々に販売店を設置し、緻密な販売網を築いた」ためでした。

大都市では外資にかなわなくても、郊外や辺境部で勢力をじわじわ拡大し、最後には外資を駆逐するまでに登りつめる、という成功パターンはよくあるようです。

これを、毛沢東の「農村が都市を包囲する」という言葉通りの戦略を展開していったと筆者は述べています。(P92)

ここを読んだとき、確かに外国人の私には、農村・地方の中国人の姿がほとんど見えていないよなぁ…と痛感しました。

私の中の中国の農村のイメージは、極端な大きな事件がたまに起きるところ。殺人事件とか大きな事故とか。または留守児童などの社会問題が浮かびます。

あとは田舎の中国人は、ひたすら携帯ゲームをしているイメージです…。

 

外国人が省都や観光都市以外に行く機会はなかなかありませんが、できるだけ色んな中国の姿を見たいと思い、地方にも少しずつ足を運んでいるところです。

以前、中国湖北省の赤壁市に行ったことがあります。

赤壁の戦いがあった場所に行ってみたいと立ち寄ったのですが、その赤壁古戦場は特に大きな観光地とはいえず、また赤壁市からはバスで結構離れていたため、

赤壁市内は観光客をほとんど見かけない、ほんとに中国の地方都市って感じでした。

こんなところに今日本人の私がいるというのは、なんだか不思議な気持ちがするほどでした。

しかし、割と小さな地方都市ではありますが、そこにもたくさんの高層マンションがあり、通りにはおびただしい数の中国人が歩いていました。この人たち一人ひとりが何を考えているのか、全く想像がつきません。

上海の人であれば、見ているものや考えていること、好きなものが割と近いな、と思うのですが。

まだまだ私が知っているのは中国のほんの一側面なんだろうなぁと、改めて考えさせられました。

しかし、中国経済というのは、そんな地方の人たちを無視できないというか、彼らが主役なんだと思うと、奥が深いです。

 

ちなみに、8人の企業家たちは出身地が必ずしも大都市ではありません。というかほとんどの人が地方都市や農村出でした。

 

 

やっぱり中国人のガッツすごい…

本の最後の章には、この8人の大成功者に続けとばかりに奮闘する、若い起業家たちが取り上げられていました。

これがまた…色んな意味ですごい人たちでした。

例えば、「画期的なアイディアを商品化してひと山当てよう」という夢を抱く呉ヨウ彬さんは最近、インテルからの支援金を得て、IoTカップを製作。そろそろ水を飲んだ方がいい時間です、などと音声でアドバイスをくれるスマートなカップらしいですが、一個約49,000円という値段が災いして全世界で2000個しか売れなかったそうです。(P241)

いや、2000個も売れたことが驚きだわ、と。

49,000円もして、水飲んだほうがいいのアドバイスとか、余計なお世話だわ!と思ったのですが…

正直、この本に出てきたすごい成功者たちのあとで、呉さんが人間らしく奮闘する姿にほっこりしました。

 

しかし、このような「やってみよう精神」すごいと思います。

えー、これはないだろー、というアイディアでも、

それが無数の人々により無数の数ほど出てくると、そのうちに、大化けするすごいアイディアが生み出されるのではないでしょうか。

少なくとも、何もしないでベンチに座って見ているだけの人(私とか)よりも、ボックスに立って、バットを振っている彼らのほうが、ヒットを打つ可能性は確実に高いんですもんね、当然ですが…。

 

最近、ある中国人と知り合いになりました。彼は周りのひとから、老板(社長)と呼ばれていて、常に日本でビジネスチャンスを求めていて、私と話すうちに、こういう商売をあなたはやるべきだ、一緒にやろう、と誘ってくれました。

しかしそれには、私自身が起業しなければなりません。まぁそんな本気でお互い話しているわけではないのですが、私が困った顔をしていると、

日本人はそうやって恐れるから駄目だよ、勇気を持って、と言われました。

確かに、多くの日本人は自分が起業して社長になるなんて、とても無理、やりたくないって思っているような。少なくとも私はそうです。

貪欲に発展を求める中国人の姿がまぶしく、自分とは違う…と思ってしまうのは、自分が物心ついたときから不景気しか知らず、この著者がいう「経済発展の楽しさ」を知らない世代であることと関係あるのかもしれません。

 

 

30代が中国経済を変える!

ともあれ、なかなか面白い本でした。

しかし、今の中国経済の変化は本当に目まぐるしいです。

この本に出てきた英雄の時代は、刻一刻と終わろうとしています。

田舎で教育も満足に受けていないガキ大将が、自らの知略と運で荒波を渡り、トップまで登りつめる、そんな成功談は今ではあまりないらしく、

今では大量の、国内外で高いレベルの教育を受けてきた世代、20~30代が新しい会社を興し、少しずつ存在感を増してきています。

これからも、目が離せないですね。

 

とりあえず、近いうちに中国のシェアバイク市場について、もっと詳しく調べてみたいと思います。

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