日本に来る外国人をもてなすインバウンド産業に関わりたいと思い、
12月の通訳案内士(中国語)二次試験の面接に向けて、現在中国語の勉強をしています。
(二次試験について詳しくはこちら。)
面接では、日本の観光について中国語で聞かれることになります。
それにまつわる用語も知っておかないとと思い、『中国語で案内する日本』(研究社、塚本慶一・芳沢ひろ子共著、2015年11月刊)を買ってみました。
この本は、まず第一部分で「ガイドの基本フレーズ300」で、見学地での誘導のときや、ホテルでの案内に使える中国語の一言フレーズを300個紹介しています。
続く第二部分は、観光案内のとき、交通機関を利用するとき、または日本の文化について質問されたときなど、状況別に中国人と日本人ガイドの会話が載っています。
この第二部分が4分の3の大部分を占めています。
第一部分の感想としては、正直、中国語ガイドになろうという人は、フレーズごとに中国語を丸覚えするというよりは、基本的な文法はもうマスターしていて、自分で状況に合わせて発話していかなければいくと思うので、そこまでこの300フレーズの必要性を感じませんでした。
例えば、「这是我的名片」(名片=名刺)、「您是第一次来日本吗?」などは、基本的なフレーズなので、わざわざこの本の中で勉強しなくてもいいと思います。
しかし、見どころの説明の際に使う「正面に~が見えてきました」「右手に見えますのは~」などは、ガイドならではの中国語なので、役に立ちそうです。
できればそのようなガイドならではの、マニアックな中国語をもっと知りたいと思いました。
ほかにも、ガイドの際に使う特殊な用語や、日本の観光地(地名や寺社名や景勝地など)を中国語でどういうか、漢字はだいたい一緒だと思うのですが読み方を併記しておいたものがあれば、今後長く使えそうだと思います。
第二部分は場面描写が詳細で、読んでいておもしろいです。
例えばスイカ(交通ICカード)の使い方や、トイレに備わる音姫の説明、富士山が見えないときのお客さんとのやりとりなど、中国語ガイドをされていた著者の方の経験に基づいて、中国人が疑問に思うことが、会話のなかに盛り込まれています。
このような、歴史の本などでは学べない、例えば、スイカや渋谷のスクランブル交差点や新宿駅での案内に使う知識や中国語こそ、実践的で必要なものだと思います。
しかし、贅沢を言えば、『改訂版 英語で日本紹介ハンドブック』(松本美江、アルク刊)並みの、日本を紹介するときに必要な知識が詰まっていると、今後ずっと使えるんだけどな、と思います。
この本は、英語での案内に使うものですが、めちゃめちゃ使えます。
日本人でも知らない日本のこと、でも外国人が知りたい疑問を幅広く扱っていて、英語でなんというか?ということだけでなく、そもそも通訳案内士に必要な知識がこれでもか詰まっているのです。
例えば、家族構成、教育問題、食事、物価、社会保障、労働時間、結婚年齢、冠婚葬祭、女性の社会進出、芸能、日本語、健康、スポーツ、祭り、年中行事、風物詩、家、地形、気候、政府、歴史、天皇、産業、交通、社会問題などなど…盛りだくさんです。
この中国語版がほしい!と切実に思います。